闇夜の提灯

2021.06.20

 ワクチン接種がようやく始まりました。今年の年初に接種意向がプレス発表されて、もう6か月も経過しているのです。最初の報道では、3月から医療関係者や高齢者への接種が始まるといわれていたのに、もう3か月も遅れての実施です。欧米ではすでに30%~50%以上の接種率に対して、日本ではまだ数%に過ぎません。総理が1日100万回と声高に叫んでも何の対策もしないのは銭湯の暖簾です(「ゆ」うばっかり?)。この差はどこに起因するのでしょうか。ひとつには、新薬の承認に時間がかかりすぎていることだと思います。どんな薬でもそうなのですが、承認するには、治験というものを経なければなりません。要するに、実際の薬を使って効能通りの効果があるかどうかを試していくわけです。この新薬承認までの治験期間が日本では長いのではないでしょうか。そもそも日本のお役所は、何かにつけて長い時間を要する気がします。慎重であることは大切です。しかしながら、石橋をたたいて渡るならまだしも、たたきすぎて橋を落としてしまっては元も子もありません。むしろ、一休さんではないですが、このはし渡るなと言われても、真ん中を渡るぐらいの機転も必要なのではないでしょうか。大胆にして細心な検証スピードがあっても良いと思うのです。現にアメリカでは早々に承認して、接種に動いたわけです。もっとも、接種率が過半数を示したからと言って、マスクを外して三密環境を作り出すというのは如何なものでしょうか。何れにしても、日本でもようやく大規模会場での接種環境はスタートしていますから、程なく全国民にいきわたるはずです。コロナウィルスは、どんどん変異しているようですが、最小限の駆逐ラインには着いたのですから今後のワクチン効果や治療薬効果に期待を寄せて、この暗黒の時代を一刻も早く乗り越えたいものです。  政府のコロナ政策について一つ不満があります。いえ、大体が不満なのですが、そのうちの一つの企業単位接種です。政府が言うには、企業が接種場所と接種医を提供して、その企業の社員の接種を実施するというものです。これは、確かに効率がよく、広範囲に接種は進んでいくと考えられます。しかし、では中小企業はどうすればよいのでしょうか。日本国の80%以上は中小零細企業なのです。接種場所も接種医も用意できません。政府の方針は、何かの施策を実行しようとするときは概ね、大企業を視野に入れたものなのです。では、中小零細はどうすればよいのか、これは同時に考えるべきことなのではないでしょうか。にも拘わらず、何も発表されていません。要するに、現行の接種方法で順番を待ちなさいということなのでしょう。全国の自治体には商工会議所というものがあります。この商工会議所というものは、営利を目的とせず、中小企業や個人事業主のサポートをするのが第一義的な役割なのであります。そうであれば、ここが本来、国の指導が無くても自主的にエリアの中小企業を対象に接種行動を起こさなくてはならないのではないでしょうか。当社のエリアの商工会議所は、毎年高い会費をとりながら、会員としてあまりご利益に預かった試しがありません。それどころか、今年には、いくら掛かったかは知りませんが、広大な土地に鉄筋コンクリート製の立派な建物を作りました。もちろんこれは、税金で賄われているのです。そこで働く人々は、高い会費を払っている会員に対して、会員のためになるそんな知恵も出せないのでしょうか。神戸では、学校単位での接種も始まろうとしています。皆さんの地域の自治体は何か方策を講じていますか。大阪府も東大阪市も残念ながら、政府主導のありきたりな方策のみです。窮すれば鈍す、ではいけませんね。人民の人民による人民のための政治、今こそ響いてほしいな~!日本でこそ!