月別: 2024年9月
ストレスなのか歓喜なのか
2024.09.20
野球とゴルフ、なんとなく、棒を振り回して球形の玉を打つところが、似ているスポーツであります。野球のバットでボールを打つことと、ゴルフクラブでゴルフボールを打つことの共通点は、どちらも打つ瞬間に棒と玉が当たっているということです。違うとすれば、野球の場合は、投手という人間が投げるボールを打者という人間の持っているバットを振って当てるのですが、ゴルフの場合は、自分一人が地面にあるボールを打つだけ、ということなのです。要するに団体競技か個人競技かの違いなわけです。そして、動いている玉をどう処理するかという野球と、飛んで止まった球をどう処理していくかという違いです。野球というのは、当然のことなのですが、絶対に一人ではできません。投手の投げる球は捕手が居ないと取れないですし、打者が打ったボールは、90度の間に飛べば必ず誰かが捕らなくてはなりません。そのためには、多くの選手が必要になるのです。野球というものはそういうもので、出場する9人の力をマネージメントして試合は進行します。片やゴルフの場合は、たくさんの選手と競う競技なのですが、その形態は、自分のスコア(打数)は、自分ひとりが打つ数が総てであり、人の打数を貰うわけでも人に与えるわけでもないのです。そして、一番打数が少ない選手が勝利するのです。より多く打つ人は、ゴルフの場合、下手くそなのであります。誰のことかわかりませんけど世間にはたくさんいます。そう考えると得点を重ねて多いほうが勝利するのは野球で、少ない打数の人が勝利するゴルフとでは正反対なのであります。加点競技と減点競技、なんとも不思議ですね。他の競技でもタイムを争う競技は、減点競技、要するに時間を縮めると勝利する水泳、陸上競技などで、加点競技は卓球、バレーボール、バスケットボールなど、球技全般がそれにあたります。だから、ゴルフという競技は球技ではなく、かと言ってタイムを争う競技でもなく、不思議なスポーツなのであります。そのスポーツとしての形態を考えると、通常18ホールを延べ4~5時間かけてラウンドするのです。そういう側面では、瞬発系の競技ではなく、むしろ持久力を要するスポーツなのであります。その間、走ることはなく、飛び跳ねることもありません。淡々とボールを先のほうに打ち、ピンを立てたホールに入れるのです。打った後は走ることもなく、殆ど歩いて回るのです。そのゴルフで、ひとつ不思議に思うことがあります。合理性をおもんばかる欧米人気質で出来たスポーツにしては、クラブという棒を介して先に進むということであります。なんでボールを先に進めるのをクラブという難しいものを使うのかということです。合理的な感性に従うならば、手で投げたり足で蹴ったほうが、確実性が上がると思うのです。いや、蹴るのは難しいかもしれません。そのわざと難しい手段を使うことに不思議さを感じるのです。もちろん、その難しさがあるから人々はのめり込んで行くのかもしれないですが、何年、何十年やっても上達しないことにストレスを感じながら、それでも続けるその忍耐力は、楽しさがあるからこそのことだと感じます。決して右肩上がりに上達しないスポーツでありながら、日々進歩と後退の繰り返しでも嬉々として取り組めるスポーツ、それがゴルフなのかもしれません。話を戻すと、野球は、一人はみんなのために、ゴルフは、一人は一人のために、ということになりましょうか。若いころに野球をやってた人が、その後ゴルフに進んでいくというイメージがあります。しかし、それは、あくまでもイメージのことであり、サッカーをやっていてもテニスをやっていてもゴルフにはスムーズに転身していけるのです。もちろん、何のスポーツもしていなかった人でも、十二分にゴルフを楽しめるのです。それはスポーツというよりもレジャーと呼んだほうが良いかもしれません。知り合いの方で90歳を過ぎてもなお、ゴルフプレーを楽しんでおられます。1ラウンドで1万歩以上歩くから適度な運動であります。楽しく長く続けられるスポーツ、いや、レジャーとして今後も取り組んでいこうと思います。本当は、野球もしたいのですが、それなりの人数が必要でありますし、何より、打つ、投げる、走るという体力は、もはや皆無なのであります。野球は、応援に徹します。果たして阪神タイガースの運命やいかに!?