月別: 2022年4月

混乱の先に希望はあるか

2022.04.20

コロナ禍の喧騒を気にも留めることなく、桜だよりが届いています。積もり積もったストレスを打ち払ってくれるかのように咲き誇ってくれました。卒業式も入学式も桜の花は何時も見守ってくれています。ほんの僅かな期間の出来事ですが、1年間の気持ちの集大成ができるような気がします。そんな中、実業界でも新年度に入りましたが、私たちの生活環境はとても厳しいものがあります。ウクライナ侵攻問題が物流に障害をきたし、生活物資の流通に大きな影響が出ています。大半を輸入に頼っている穀物類や、化石燃料、天然ガスなど自国での生産に頼れない物資が不足したり、それに伴うように大きな値上がりを招いています。そもそもの景気が近年停滞する状況で、追い打ちをかけるような地政学的リスクが生じている現状は、まさに八方塞がりの様相を呈しています。為替の世界でも円への信頼が薄らぎ、大きくドル高に振れているのです。円安になるということは、輸出関連には追い風ですが、生活物資の多くを輸入に頼っている我が国は、大幅なコストアップに直面して、諸物価が上昇しています。労働収入はそのままで物価が上昇するということは、消費を減らす、即ち、購買を我慢することになるのです。消費が減ると商売は停滞して、益々経済は停滞していくのです。コロナ禍、ウクライナ問題、生活環境の悪化、この三重苦、何とかならないものでしょうか。
先日、日本人の監督作品が、アカデミー賞を受賞しました。「ドライブ・マイ・カー」という作品です。詳細はまだ観ていないのであまりよく分かりませんが、原作は、村上春樹氏だそうです。日本映画としてアカデミー賞を受賞できたという快挙は、「おくりびと」以来とのこと。映画好きにとっては、世情に鑑みて、留飲を下げる思いであります。そんなアカデミー賞の授賞式の最中に思わぬハプニングがありましたね。ニュースで何度も話題になった、あれです。詳細は皆さんもご存じの通り、主演男優賞を受賞したウィル・スミスが、突然受賞ステージに上がって、司会役のコメディアンを平手打ちしたのです。その理由が、彼の妻であるジェイダさんの容姿に対してハラスメントの言葉を言ったという理由でした。この事件?に登場したそれぞれの人物の本意は、それぞれの言い分があるでしょうし、我々一般人には真相を知る由はありません。何十回ワイドショー見たとしても誰が正しいのか、その本質は知り得ないように思います。それよりもむしろ、日本との文化の違いというか、衆人環視の元、この行為に及べる文化に驚きます。壇上に上がって平手をくらわす人、食らった人が一瞬笑顔を見せた瞬間、そして、テーブルにいた参加者がスタンディングオベーションを行うなど、文化の違いを感じざるを得ません。例えば、日本の何かの授賞式にこれに類した事件が起こったとして、さて、どうなるでしょうか。多分、放送映像は暗転して「しばらくお待ちください」の文字だけに瞬時に代わることでしょう。そして、平手打ちの人物は、即退場を促され、最悪、授賞式は、その時点で終了になるのではないでしょうか。いや、スクープ映像としてそのまま流し続けるでしょうか。間違いないのは、その後、いくらかの修正を経て、ワイドショーを賑わすことでしょう。日本人と外国人との一概には言えませんが、タカ派、ハト派には分類できるのではないでしょうか。現代のように、世界的にインターネットを通じて世界の文化を身近に感じることができるようになっても、その国民性は、変わりが無いように思います。もちろん、日本人同志でもタカ派、ハト派は相対します。さて、あなたは何派でしょうか。