月別: 2022年6月

スローなブギにしてくれ

2022.06.22

そろそろ夏の日差しが降り注ぐようになってきました。束の間の春を感じる間も無く、夏の装いをしなくてはなりません。近頃の季節感は、樹木の移ろいをゆっくりと感じる暇もなく、常に急ぎ足なのです。歳のせいなのかもしれませんが、時間の経過がとても速いのです。残りが少ない分、ゆっくりと移ろいたいのですが、中々、そのようにはいかない現実であります。自分の周りが何かにつけて早く過ぎるのは、自分だけの気のせいでしょうか。孫の成長も早送りのように速く、そう、自分の老化も速度を緩めません。万人の定めとはいえ、哀愁が漂います。しかし、あまりナイーブにならず、周囲の環境に元気の源を求めていかなければなりません。笑うことが大事でありますし、体を動かすことも必要です。バランスの取れた食事を心がけることも重要です。但し、コマーシャルには影響されないことです。高齢化社会を見越した商売ネタを、どこの企業もハイエナの如く虎視眈々と狙っているのです。医療法人も従来の病院だけではなく、次々とその隣に福祉関連施設を建設しています。それは、必要ではあるのです。みんな何時かはそんな施設にお世話になるかどうか考えなければなりません。老々介護や独り身になったときのことを考えなければならない時期が来るかもしれないのです。そう思うと、福祉介護施設は、今のうちに充実したものが出来ていて欲しいかもしれません。今まで無計画に突っ走ってきた身としては、今からの計画がものを言うかもしれないのです。今まではラッキー、これからは計画次第かな、と感じます。吉田兼好の徒然草に「高名の木登り」という一節があります。庭木の手入れに大きな木に登り、高いところの剪定をしているうちは、落ちたら危険という思いから慎重に作業をするのですが、それが終わって下に向かって降り、もう少しで地上というときに油断をして飛び降りたりすると最後に大けがをするという、いわば戒めなのであります。木登り名人は、仕事の最後に最も気を付けるのであります。そして、まだイケイケの若い衆を戒めるのです。この話は、確か小学生か中学生の時に習ったのですが、それ以来、ずっと頭に残り、現在に至っています。にも拘らず、呑んだあと油断して財布を取られたり、あと少しのところで交通違反で取り締まられたり、最終ホールで大たたきをして優勝を逃したりして、その戒めが活きていないのです。要するに詰めが甘いのです。かくも悲しき煩悩の塊であるのです。アホなのであります。話を戻しますが、人生を終えるときは、一番いい状態で終えたいと思うのですが、こればかりはおそらく思い通りにはいかないのが常道と思われます。ではどうすればよいのでしょうか。それは、これからも学びを心がけて最後の最後まで学び続けることで詰めの甘さはいくらか回避できるのではないでしょうか。その学びとは何か。それは学問だけに拘わらず、普段の生活環境でもいろいろなアイデアを思いついたり、生活の知恵を学ぶこと、知恵を出すことだと思います。人の話を聞くことも良いでしょう。様々な本を読むことも良いと思います。テレビやネットを見てトレンドを感じることも良いでしょう。何も考えないことは何も生まないでしょうし、何も進歩しないのです。何事も考える習慣は大切にしたいものです。さすがに歳を経ていくと冒険には躊躇します。だから、もう少しのところで飛び降りたりせず、手を添えてゆっくりと着地します。そう、スローモーションで行くのが良いのではないでしょうか。時間の経過は速い、しかし、思考回路はスローで良いと思います。だから、人の名前を思い出せなくても許してくださいね、みなさん。ゆっくり思い出しますから、はい。