月別: 2023年7月

文明開化と環境破壊

2023.07.20

 夏がやってきました。4日時点で梅雨明けはまだ到来していませんが、雨の降らない青天は灼熱の様相を呈しています。一昔前まで四季の中で周到な準備をするのは、冬支度でしたが、近頃は夏支度をしなければならなくなりました。熱中症予防の水分、塩分補給の準備、エアコンの点検、西日除けの設置など、夏を乗り切るための準備が欠かせなくなりました。猛暑を乗り切るためのグッズの登場も頻繁です。水にぬらして首に巻くとひんやりするタオル、手で持つ扇風機、最近は、首にかける扇風機も出てきました。暑さをしのぐ知恵なのか、はたまた商魂たくましいのか、季節変動に順応する人間は大したものです。なにしろ、自然には絶対逆らえないのですから。しかし、世界の中でも日本は比較的裕福ですから暑さ対策もできるのですが、発展途上国の人たちは、大変厳しい状況なのではないでしょうか。ユニセフなどがその寄付金で援助しても焼け石に水でしょうし、容赦のない干ばつは、世界中で発生します。また、異常気象ですから洪水による水害も起こります。日本でも豪雨や台風による水害は危惧されますが、同じこと、いや、それ以上の災害が世界中で発生するのです。今まさに人類の英知が試される場面に遭遇しているのであります。宇宙開発や深海探査など、夢と浪漫を描く人類の進歩は目覚ましいものがあります。しかし、その反面、自然からの挑戦状に対しては、先ず災害ありきで、その対策は、後手に回っているのが現状です。それは、各国がその国家予算で対応するには、やはり限界があるからなのでしょうか。どこかの国のように常軌を逸したミサイル発射を連発したり、領土取りに血道を上げる某大国の、その戦争に使う資金は、最大の無駄と感じます。もしそんなコストを自然災害対策の研究に費やすことができれば、災害予防対策は、もっと進化するのではないでしょうか。深海のタイタニックの残骸を見学するために、命がなくなるともしらず大枚を払う富豪たちの巨額の資産を集めれば、もっと災害対策研究は進むのではないでしょうか。私見ではありますが、カーボンニュートラルなどという世界的な潮流は、それこそ焼け石に水なのだと思うのであります。太陽の恵みは、その熱と光と引力にあるのです。その派生として人間の営みが形成されているわけであり、二酸化炭素を削減することは必要であるけれども、決してコマーシャルベースの策謀であってはならないと考えます。山火事が起これば膨大な二酸化炭素を発生させます。焼き畑農業も貧困国では存在せざるを得ません。考えてみてください。モータリゼーションのEV化が拡大していったとしてもその電力は、どのように確保するのでしょうか。原子力発電はリスクが高いと声高に叫ぶ人も多くいます。風力、地熱、太陽光発電など、人間が使う電気の一部はそのような手段で発電できても地球上を覆い尽くすぐらいの規模にでもならない限り限界があると感じます。もちろん、イニシャルコストが見合うのかどうかも、まだ過渡期でもあり、確信は持てません。人類が様々な工夫をして改善に向かうならばそれに越したことはないのですが、如何せん、負の要素も同時に出てくるように思うのであります。余談ですが、中国が自動車産業において徹底的なEV化を図っているのは、内燃機関の製造技術がそもそもないわけで、一足飛びに電気自動車に向かったほうが自国の産業に隆盛をもたらされると考えたからです。現状、低価格のEV車をたくさん開発して普及を図っています。ところが、大きな問題が横たわっています。それは、EV車の経年劣化で出たバッテリーが、所かまわず廃棄され、野ざらしになっているとのことです。これが新たな重大な公害要素となり、甚だしい環境破壊を招いているのです。お得意のやりっぱなしなのであります。このようなことも含め、人間が環境を破壊して、自然現象さえも変えてしまっているのも事実です。自然界とは、地球環境が存在する限り人類は付き合っていかなければなりません。自然が先なのです。人間は、その自然とどのように付き合っていけばよいのでしょうか。永遠のテーマであります。