月別: 2022年9月

モラルが救う未来

2022.09.20

9月になりました。少し例年と違った夏が過ぎ、暦の上では秋ですね。今年の夏は、早々に梅雨が明けたかと思えば、すぐにまた雨の日が増え、戻り梅雨を迎え、それに伴って線状降水帯による大きな被害も出てしまいました。近年の異常気象とはいえ、イレギュラーな気象の兆候が続き、思わぬ被害も出ました。本来は、あまり梅雨の影響を受けない北海道、東北でも大雨に見舞われ、あまり備えがないが故の被害が続出しました。梅雨前線が北に押し上げられたのは、やはり、偏西風の蛇行が原因ということです。もちろん、ラニーニャ現象で太平洋高気圧が弱いことも起因しているのですが、偏西風の蛇行は、日本のみならず、世界的な影響、被害をもたらしています。中国での干ばつ、パキスタンでの大雨による洪水、そして、雨による洪水だけではなく、氷河の融解による洪水も大きな被害をもたらしています。世界的な気候変動に、果たして世界の足並みは揃うのでしょうか。香港の自治問題、ミャンマーの軍事政権化、ウクライナ侵略問題、台湾問題による米中関係の悪化など、世界各国にまつわる地政学的リスクは、目白押しなのです。それに加え、わが日本には、米国ドルの金利引き上げ政策が、大幅な円安を招き、国内経済に多大なダメージを与えています。特に、ドル建ての輸入品に大きな影響を及ぼしています。特に自給率の低い少量品関係は、多品目に及ぶ値上げが実施されています。このような情勢下、やはりその対応には、各国の政治手法がモノを言うのではないでしょうか。日本はどうでしょう。コロナ禍に翻弄され、その抑止力にも欠け、物価対策にも実効力が発揮されない現状では、誠に、誠に、心もとない気持ちでいっぱいです。そんな折に、政治と宗教の醜悪な関係が議論されている現状は、もはや、笑止千万なのであります。せめて政府!しっかりせんかい!
夏のレジャーが終わろうかというタイミングで、海での事故が問題になっています。それは、海水浴や遊泳での事故ではなく、水上バイクでの事故なのです。ニュースでもたびたび報道されるこれらの事故は、人災以外の何物でもありません。これらを操縦するためには、特殊小型船舶免許というものが必要です。この免許を取得するためには、地上でいう原付の運転免許と同じく、試験が必要です。その取得に際しては、海象気象、操縦に関する必要な座学を受け、その操縦に関する実地訓練が義務づけられているのです。ところが、プレジャーボートや漁船操縦の試験は、相応の時間をかけ、取得に至るのですが、水上バイクは、なんと、たった一日で取得できてしまうのです。それも試験とは名ばかりで、通すための試験、即ち、落とさないための試験なのであります。なぜ?受験料を集めるための試験なのです、だから、基本的には、受験料を払えば通るような試験なのです。そんなかたちで取得して、あの大型バイクを水上においたようなマリンジェットを、あたかも無法地帯の如く、縦横無尽に走らせるのです。海上走行には、関係法令があります。しかし、知らなくても操縦ができてしまうのです。水上バイクを動かすぐらいの海上には、標識も信号もありません。では、何が必要なのでしょうか。モラルなのです。どうすれば危険か、どのような操縦をすれば周囲は危険を感じるのか、そういうモラルが必要なのです。陸上でいう原付バイクは、同じような経緯で取得できます。しかし、陸上では、標識も信号も、そして、取り締まりも存在します。法規もモラルも規制も、習慣的に、身近に存在するのです。そう、言いたいのは、水上バイクに関する国や自治体の安全運航に対する意識が低すぎるのです。事故によって少なくない人命も失われています。この水上バイクの事案については、一石を投じておきたいと思うのです。