錦秋の風情

2019.11.20

 「秋深き隣は何をする人ぞ」ようやくそんな季節になりました。今年はどちらかというと、9月以降だらだらと暑い日が続き、10月の声を聴いても半袖を仕舞えませんでした。台風も次々と到来して、列島に大きな傷跡も残しました。信州や関東に大洪水をもたらし、東京でも川の氾濫で浸水被害が多発して、大きな災害被害が生じました。またしても自然の驚異、猛威を思い知ることとなりました。被害に遭われた方たちには心よりお見舞い申し上げます。しかし、ようやく11月を迎えて台風が発生してもはるか南方を通過しているようで、秋らしい季節を満喫できるようになりました。東北から北では、紅葉も盛りを迎えているようで、あでやかで目に染みる光景を想像しています。これから更に南下して皆さんの目にも届いて行くことと思います。四季折々の秋バージョンの始まりです。

 「天高く馬肥ゆる秋」中国の故事に基づく句でありますが、本来の意味は、収穫の秋になると北方の騎馬民族が大挙してその収穫物を略奪に来る、まさにその季節だから十分に用心しよう、ということだったそうです。しかし、近代からは、秋特有の味覚である松茸やサンマ、柿と牡蠣、さつま芋、そして、新米など目白押しです。夏の暑さによる食欲減退から、爽やかな秋風と共に、私たちの食欲を復活させてくれるのです。もちろん、秋の味覚と共に、お酒も最高です。ひやおろし、いいですねぇー!このひやおろしとは、貯蔵するときにのみ火入れをし、2回目の火入れを行なわない、この「ひや」と呼ばれる状態で貯蔵し、秋になって卸されるため、「ひやおろし」と呼ばれているのです。秋まで熟成されることで丸みが出て、グッと味わい深くなります。秋の味覚とひやおろし、よろしいなあ!

えっ?だからメタボ?この季節には、余計なお世話なのです。はいっ!

 さて、先般、令和天皇様の即位礼正殿の儀が執り行われました。前回の平成天皇様の時は昭和天皇様の崩御でありましたからあまり記憶に残っていませんでしたが、今回はマスコミも総力で報道していたため、詳細を見ることができました。荘厳で日本の歴史の積み重ねを感じるお姿でありました。午前中、天気が崩れ、時折激しく雨が降りましたが「即位礼正殿の儀」が行われる直前に雨は上がり、一時青空が見えました。それに、虹も出現して、やはり何か神がかり的なものを感じたのは、私だけでしょうか。海外から多くのVIPも参列していて、諸外国にも日本固有の行事を発信できたことは、我が国を知ってもらう良い機会になったのではないでしょうか。日本固有の信仰は神道です。神道自体は、教典や具体的な教えはなく、開祖もおらず、神話八百万の神自然自然現象などにもとづく祖霊崇拝的な民族宗教であります。自然と神とは一体として認識され、神と人間を結ぶ具体的作法が祭祀であり、その祭祀を行う場所が神社であり、聖域とされたものです。皇室と神道との関係は諸説あるようですが、様々な行事には、神道の様式が用いられているようです。我々国民はというと、神社にも参るし、お寺にも参ります。基本的には仏教信仰でありますから、総てが仏式かと思うのですが、何故か結婚式ではキリスト教だったり、神道が主流なのです。ところが、お葬式はほぼ仏式です。初詣でも神社であったりお寺であったり。本当に日本人というのは器用というかマルチというか、柔軟性のある民族なのですね。言い換えれば無節操とか・・・。失礼。しかし、いずれ来る死に対しては、仏の教えに基づいて極楽浄土を目指します。あっ、少々脱線しましたが、とにかく、この令和の時代をみんなで楽しく過ごしていきましょう。良いことがたくさんありますように!