有名無実な人々

2019.07.20

先日、大阪でG20が開催されました。会議の中身はともかく、大阪周辺の商工業は、大停滞しました。なにしろ、大動脈である阪神高速が総て通行止めとなり、その余波で都心部の商業店舗も閉店を余儀なくされ、大打撃を受けました。この国際会議、そもそも大都市で開催しなくてはならないのでしょうか。オリンピックや万国博覧会は、それなりの経済効果を見越して開催されるのですが、G20の場合は、僅か数日で、しかも今回のように交通機能を遮断して開催されると、経済効果どころか経済損失のほうが多かったのではないでしょうか。大阪府知事や大阪市長は大変喜んでいる様子でしたが、府民市民にはいい迷惑ではなかったでしょうか。こんなことを言うとSNSで炎上するかもしれませんが、私見ながら、開催地としてのメリットはなかったのではないでしょうか。少なくとも庶民にとっては、です。このような会議は、大都会で行うから周辺の機能不全を引き起こすわけです。どうせ開催するなら離島であるとか、リゾート地であるとか、海上の豪華客船とかで開催すればよいのではないでしょうか。そうすれば、交通規制も最小限で済むでしょうし、安全対策も見通しが良く、今回のように全国の警察官を駆り出さなくても済んだと思います。そして、庶民の結構な額の税金をつぎ込んだでしょうから、これらの場所で開催しても、外国からの要人の移送もヘリコプター等ですべて賄ってもおつりがくるはずです。皆さんには、我が国の首相の、にこやかな顔は役に立ちましたか?問題山積の国際情勢のどれかでも解決する糸口は見つかったのでしょうか。香港の民主化に関わる騒動や、直前にペルシャ湾で起きたタンカー襲撃事件、そして、何よりも日本と韓国の仁義なき戦いなどの解決の糸口は見えたのでしょうか。日本と韓国に関しては、G20会議後、日本が韓国に対して経済制裁を発動するというニュースが流れました。はたしてそんな方法で解決するのでしょうか。報復には報復しかありません。中国とアメリカがそうではありませんか。経済戦争とはいえ、そのうち武力衝突も起こり得るのではないでしょうか。そんな不毛なことを日本はまた真似をするのですか。相変わらず、世界の主要国にたいして風見鶏のような対応では、結局日本は、本当の閉鎖的島国に戻ってしまうのではないでしょうか。日本は、外交下手とよく言われます。お人よしだからと思われがちですが、それは、イエス、ノーをはっきり言えないからです。それは、某総理大臣の国会答弁を聞いていて、なるほどと思うのです。いや、総理大臣だけではなく、国会議員、官僚もその域を出ません。そうそう、話は逸れますが、国会の議論は、総て現政権の、言うがままであります。それは、現政権の政権与党が、衆議院の過半数以上を占めるからです。だから、どのような愚案でも国会を通してしまうし、総て押し切ってしまうのです。本来国会は、与党、野党が均衡してこそ正しい議論が行えると思います。しかし、今の野党の体たらくでは、情勢は変わるはずもありません。旧民主党の先鋒だった議員が自民党にあっさり鞍替えする現状では、明るい明日は見えてこないのです。では、我々国民は、どうすればよいのでしょうか。それは、自分を中心として、どのような政治が行われたら自分たちに良いのか、自分を中心として、子供たちや孫世代がどうすれば豊かな生活をしていけるのか、自分を中心として、どんな政治家を選べば意見が聞き入れられるのか、そんなことを徹底的に追求しなければなりません。国家はまつりごとで成り立ちます。そう、「政」、「祭りごと」なのです。みんなが集ってこそ正しい政治を起こせるのです。これからも正義に満ちた政治家を選ぼうではありませんか。「政を為すは猶沐するがごとし」(後述参照)

※ 《「韓非子」六反から》政治をするのは髪の毛を洗うようなもので、少しは抜け毛があっても、よい毛を生やすためには必要である。少数の悪人を罰するのは、多数の良民を安泰にするためだというたとえ。(デジタル大辞泉より)