年: 2018年

イチマルハチ(108)

2018.12.21

1年を締めくくる12月がまたやって来ました。それはカレンダー最後の月であり、個人税の締めの月でもあり、年末にかけて正月準備の食料品販売の書き入れ時であり、冬物衣料品の一掃の時期であります。何か慌ただしく、落ち着かない月です。というよりもせわしない月なのです。1から12という区切りのせいなのかもしれませんが、11までの集大成、総決算、帳尻合わせ、的な意識の下で動かされてしまうのです。確かに毎年この時期には、常に反省を強いられる時ではあります。年頭に定めた目標には今年も到達できなかったな、とか、高々と掲げた抱負は、ほぼ、最初の三日間で終わり、例年通り、その後は言い訳をふんだんに用意して、また、来年に語るべき抱負を用意する悪循環なのです。もちろん、目標を達成して意気揚々と年末年始を迎える尊い人も居られます。意志が強く、目的意識をしっかりと持たれた尊敬すべき人も沢山おられることでしょう。しかし、凡人は、低いレベルの目標すら達成できずにまた、次も低いレベルの目標を立てて次の1年をスタートさせるのです。如何なものでしょうか。人生、そんなにゆとりあるわけでは無いのですが、粛々と、いや、淡々と貴重な時間を費やしてしまっているのです。何とかしなければ!自分よ!しっかりしなければ!

 毎年聞くことですが、皆さんの今年はどうでしたか?先ず、良い年であったか否か。次に、嬉しいことが多かったか、悲しいことが多かったか。次に、幸運であったか不運であったか。そして、何か自己ベストが記録できたか否か。まだ年末までには時間はあります。じっくりと考えて答えを用意しておいてください。除夜の鐘とともにその答えのもとに新しい年に実行できる高い目標を掲げてください。百八つの鐘の音とともに今年の煩悩を抹消しましょう。四苦八苦、即ち、4×9=36、8×9=72、合計108の煩悩を消し去りましょう。あ、ここで少し余談になりますが、ある都市部の町で、除夜の鐘がうるさいから鐘を鳴らさない運動が起こっているらしいのです。鐘の音がうるさくて寝られない、とか、勉強の妨げになる、とか、耳に残ってうっとうしい、とかの理由だそうです。そんな、昨日今日始まったことではないでしょうに!自己中のわがままがここまで進むと、社会自体が成り立たないではないでしょうか。鐘の音の厳かしい響きを感じ取れない時点で、もう既に煩悩を取り払うどころか、煩悩にまみれておぼれそうになっている人たちなのでしょうね。もし鐘の音が騒音ならば、救急車や消防車、パトカーのサイレンも騒音なのでしょうか。その音を無くしたら、自分の身に一大事が起こっても助かる命も助からないし、手遅れになるに決まっています。自分だけが良ければそれで良いということなど何一つ有るわけがないのです。もう一つ思い出しましたが、救急車をタクシー代わりに呼ぶ人がいると聞きます。もはやそこまで行くと自己中心的を飛び越えて、非常識も甚だしいわけです。そんなモラルは誰が教えるのか?誰も教えません。自分自身で学ばなくてはならないのです。自分に学ぶ意思がないから身に付かないのです。往々にしてそういう人たちは、確信犯なのです。非常識は分かっていても敢えて知らぬふりをしてモラルを犯すわけです。事の善悪は、いつになっても両方存在します。止むを得ないことなのですが、せめて自分の周りぐらいは襟元を正したいものですね。皆さんも今年は除夜の鐘をききながら百八つの煩悩を消してみてはいかがでしょうか。私?もちろん、煩悩にまみれていますので厳かに、真摯に聞いていたいと思います。みなさん、良いお年をお迎えください。