人体と企業体その実態

2025.12.20

 月並みな言い方ですが、もうすぐ1年が終わります。12か月、365日、8760時間という時を、如何ように過ごしてきたのか、今年もさしたる実感がないままに終幕を迎えるのです。端的に言いますと1年が早すぎるのであります。特に、この12月という月は、加速度的に過ぎ去ってしまうのです。そろそろ年賀状の準備をしないと、と思っているうちに忘年会の予定を迎え、そうこうしているうちにクリスマスの時期になるのです。そして、クリスマスムードもそこそこに、大掃除、仕事納め、大みそかと連日の予定をこなしていくのであります。師走、まさにみんながせわしなく走り回る年の瀬なのであります。今年は、巳年の当たり年であり、節目の年と位置付けて臨んだのでありますが、経過はともかく、最高の充実年とはならず、またしても、来年に各課題を先送りするのであります。せっかく大阪万博など国際イベントも行われ、阪神タイガースもペナントレースを制して優勝したにもかかわらず、あまりそれらの達成感を自覚できないのは、やはり自分自身の成果に満足できていないからかもしれません。仕事の面では、全般的に進捗度合いが低く、新たな事業領域にも進出できなかったからであります。常に進歩したい、常にポジティブでありたい、常にアグレッシブに向き合いたいという思いが、すべて停滞していたように感じています。企業というのは、一人だけが頑張っても機能しません。常にチームとして活動しなければその成果は現れないのです。いつも言うことですが、一人一人がアップグレードしないと機能不全なのであります。個の集まりが集合体となり、人間の体のように規則正しく動かなければならないのです。血液の流れは、各人の計画的な活動でしょう。呼吸は新しいものを入れて吸収したものを排出するのです。重要ペーパーはデジタル保存にするのです。脳からの指令や五臓六腑の動きは、部署間の連携に当たります。そして、筋肉の動きは、会社全体の活動なのです。人間の体は、どれか一つでもその機能が停止すると、日常生活を送ることができません。会社も同じように、一つの部署の活動が停滞すると全社に影響が及びます。スポーツに例えると、野球でもサッカーでもバレーボールでも、ひとつのボールを全員が連携して、そのボールの移動、動きを作り、結果を求めて戦うのです。その連携の精度を高めるために、全員が365日練習を積み重ねるのです。そんな練習の中身は、基本を身に着けるのは当たり前ですが、自分自身で現状の技量を自覚して、自分に足らない部分はどうすれば補えるかを考え、自らで目標を定め、計画を立て、日々、努力を重ねます。そして、それらができた時の達成感、それこそが平凡ではない、新たなる自分の進化となるのです。幼いころにスキップができた時の嬉しさ、鉄棒の逆上がりができた時の喜び、父や母との二人三脚で自転車に乗る練習をして、その補助なしで乗れた時の大きな嬉しさと同じだと思うのです。指示通り、いつものルーティーン通りに仕事をこなすのは大事なことです。しかし、それだけでは新たな喜びや感動は産まれないのではないでしょうか。いくつになっても大事なことは、自分自身による工夫改善、周囲を見渡したうえで、進歩的な提案ができることなのです。それはひとえに自分だけの仕事ではないからなのです。企業はチームなのであります。そして、そのチームの評価をするのがお客様なのであります。当社の企業理念では「小さな大企業」があります。それは、規模は小さくてもすべての人に気配りができ、職場環境に目配りができ、社員相互に心配りができる、そんな誰もができる精鋭でありたいと思うのです。自己満足は不要です。人の評価を得てこそ自分自身が見え、成長するのです。それはいくつになっても、です。年の瀬に今一度自分自身を、今一度周囲の環境を見渡してみましょう。忙中閑あり、来年に向けてのテーマが見つかるのではないでしょうか。この年末も宣言しましょう。「来年こそは!!!」そして、年が明ければ「今年こそは!!!」