文明の進化

2019.09.20

 9月の風が吹き始めました。熱い空気を含みながらも、通り過ぎると爽やかな感触が肌に残ります。例年通り、次々とゲリラ豪雨に晒されますが、少しずつ初秋の気配も感じます。暑さ寒さも彼岸まで、と言いますが、今年の夏は、果たしてその言葉通りになるのでしょうか。楽しみな秋はもうすぐです。  さて、先日、ある友人と今の子供たちと私たちと比べた時、どちらが強いのだろうかという話をしました。いわゆる、戦中、戦後の子供たち、団塊の世代と呼ばれる世代と、概ね現在のゆとり世代までとの対比です。先ずは身体ですが、現代っ子は、バランスの取れた質の良い食べ物を食していて、そのおかげで手足も長くなり、身長も高く、細身で小顔の欧米人に近い体形だという現実があります。その証は、メジャーの大谷選手やその他の多くのスポーツ選手を見ればわかります。足がすらっと長くなったのは、日本伝統の畳で正座生活から、椅子や机の文化が大勢を占めてきたとも考えられます。そう、「欧米か!」です。それに比べ、私たちの世代は、ほぼ米飯世代でありまして、近年のパン食にはまだ、完全には馴染んでいないのであります。米飯にしてもパン食にしても、今現在ではドクターから炭水化物厳禁と言われる我々世代なのであります。幼少のころは、おやつは乾パン、ご飯は、お米と梅干、漬物という粗末なものでした。もちろん、メインディッシュはありますよ。サンマ、メザシ、塩じゃけ・・・。体に良いのやら悪いのやら分からない構成ですが、特に不満はなかったように記憶しています。父がたまに酔っぱらって帰ってきて、そのお土産にボンレスハムの1本もの、そう、スライスハムの原形の50センチぐらいのものを持って帰ってきたときの感動は、今も目に焼き付いています。どこでどう調達したものかは、永遠の謎ですが。そんな我々と現代っ子の比較は、統計学的には色々データはあるのでしょうが、花粉症の子供が多かったり、アトピーや食物アレルギーの子供たちが多いことを考えると、身体的には「おっさんず」のほうが強いのではないでしょうか。我々のころは、あまり手洗いとかうがいとかやかましくは言いませんでした。いや、言われませんでした。飴ちゃんを道に落としても、拾い上げて砂を払ってすぐに口に入れていました。若い人たちには、「おぇー!」でしょうが、物資の少ない時代は、こんな状況だったのです。そうそう、便所も水洗などは無く、ボットン、だったのです。もちろん気の利いた芳香剤などは無く、便所に入るときは、口で息をしていたのです。匂いに負けないように。下着もヒートテックなど有ろうはずもなく、ぱっち、腹巻、首にはタオルだったでしょうか。寒さをしのぐのは、コタツでした。多分、石油ストーブもなかったような。いや、それはあったかもしれません。やかんを上に載せるやつ。それが、今やエアコンという神器がどこにでもあるのです。冷房暖房、万能のものが。そして、その環境で、外で遊ぶこともなく、夏も冬も室内でゲームで遊ぶ、音楽を聴く、スマホでSNS、常に安全なバリアーに守られて快適生活です。心身は、と言えば、一人で遊べる環境が多いため、人と人とのつながりに乏しい気がします。一人遊びができるけど、そのコミュニケーションの取り方がSNSになってしまうと、どこかが、何かが足りない気がするのです。子供だけに限らず、大人たちも少しずつコミュニケーション力を無くして行っているのではないでしょうか。聞く、話す、見る、全部を使って会話をすることが大事だと感じます。どうでしょうか。現代っ子と、おっさんず、どちらが強いでしょうか。様々な対比があるでしょうが、結論的には、どっちも強い!けれど、どっちも弱い!おあとがよろしいようで・・・。