年: 2020年

ウイルスVS人間の英知

2020.02.20

新型コロナウィルスが猛威を振るっています。武漢を根源とするパンデミックが続いているのですが、いつ収束していくのでしょうか。風邪の症状に始まり、やがて重度の肺炎となって死に至る危険があるのです。今年は暖冬だな、と思っていた矢先の重大な出来事です。ニュース、ワイドショーは連日この関連の内容で報道を行い、様々な出来事にも派生していることを伝えています。その一つは、マスクの品切れです。普段は、あまり縁のないマスクですが、このニュースが広まるにつれ、品薄になり、やがてすぐに品切れになりました。この件に関しても様々なニュース番組が報じていますが、一番腹が立つのは、必要以上にマスクを買い求め、本来の感染予防に使うのではなく、買ったマスクをオークションやフリマアプリを使って高額で売却していることです。数千円で買ったものを酷い場合は、何十万円で売却しているのです。物の流通は本来需給バランスですから、品薄になれば値が上がるのは止むを得ないとは思いますが、自己の利益優先で買い占めて再販することは許せない思いです。マスクを買い求めるのは裕福な人ばかりではありません。毎日の生活で精一杯の人も沢山いるのです。そんな人たちが、高額のマスクを買わざるを得ず、買えない人は罹患のリスクを大きく背負い込むことになるのは許されないことです。こんな非常事態にこそ、政府や自治体が、事前にストックしておいて今こそ無償で人口分を配布するべきではないでしょうか。過去に何度も流行性感冒は発生しているのです。SARSは2002年、MERSは2015年に発生しているのです。今回のウイルスの拡大も十分予測できたはずなのです。桜の会で花を見ることに浪費することよりも、本来こんなリスクマネージメントをシミュレーションしておくべきではないのでしょうか。消費期限がある食糧品なら廃棄を考えねばならないのでしょうが、マスクは不織布など、長期保存が可能ではないですか。しかもマスクは、災害時の防塵のためにも必要なのです。政府も自治体も管轄下の人口分をストックしておいても公用車1台分にもならないのではないでしょうか。なぜそんな知恵が働かないのでしょうか。いざというときにお役所がマスクを支給してくれる、となれば、バカな利己主義で転売目的の輩を、生み出さずに済むことにもなるのではないでしょうか。もう一つ、武漢の滞在日本人を対象に、チャーター機を仕向けて帰国させるという件ですが、当初のニュースでは、一人当たり8万円を徴収するということが報道されました。結局は政府が費用を拠出するということになったようですが、こんなアホなニュースが出ること自体、為政者の心情を疑いました。国民を救出するのに国策として取り組むべき手段の費用を、困窮者の自己負担にするなど言語道断ではありませんか。個人の談話としても許せませんが、広報的にニュースで語られること自体、リスクマネージメントがなってないのです。もっとしっかり危機管理に臨んでほしいものです。今現在もワクチンの製造に向けた開発が、昼夜を惜しんで続けられていると思います。一刻も早く治験を経て、市販に至ってほしいと思います。これから先も世界中で新たなウイルスは発生していくでしょう。過去も現在も未来も人間は、様々なウイルスと正対しなければならないのです。ウイルスの生命力と人間の知恵の戦いは続いていきます。先般も阪大の澤先生が心臓の執刀手術ではなく、山中先生のIPS細胞を活用した膜を使って心臓の筋肉を再生する手術に成功したと報道されました。人間の英知と無限の出現の可能性があるウイルスとの勝負はノーサイドの無い、無限の闘いですが、私たち庶民にできることは、人間としてのモラルを持つことです。せめてマスクの無い人に提供できるようにしたいものです。