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天下分け目の人選び

2020.11.20

コロナ禍がいまだ終息しない晩秋でありますが、政治行政関連で二つの投票が烈火のごとく燃え盛っています。それは、大阪都構想の住民投票と、アメリカ合衆国大統領選挙であります。大阪の都構想に関しましては、現時点で決着がつき、反対という結果が出ました。大阪府と大阪市がいわゆる二重行政だとした大阪維新の会の主張に基づき、5年前に大阪市民による住民投票が行われましたが、一度は反対多数で否決され、大阪市の都構想は却下されていました。しかしながら、大阪府知事選と大阪市長選で大阪維新の会の立候補者が大差で選出されたことで、再び今回の住民投票が実施されたのです。このことでわかることは、大阪都構想自体が、大阪維新の会の目玉施策であることは明らかです。そもそも、大阪維新の会創始者の橋下徹氏による異次元の政治手法に基づいた策略でありました。本来であれば日本の第一党である自由民主党も賛同するはずの同構想が、徹底的に反対に回ったことが、この都構想自体を混迷させて行き、大阪市民を二つに分断する原因になったのです。政治や行政の側面からの賛成、反対の意見は、ど素人ですので差し控えますが、都構想が実現してもしなくても民意を真っ二つに分断したことには間違いありません。大多数の反対や賛成であれば概ね理解の範囲でしょうが、拮抗した結果に対しては、不完全燃焼を禁じ得ません。大阪は初代商工会議所会頭の五代友厚以来の、いや、江戸時代以前からの商人の街であります。商売繁盛というモチベーションのもとで商都として栄えた歴史からも成熟した都市であったのです。その都市を消滅させること、いや、分断させることに違和感を覚えた市民が少なくとも半数存在したことは、その大阪の歴史がそうさせたようにも感じます。何はともあれ、大阪市は存続しました。今後は、大阪府と大阪市が、これまでの主張のように二重行政と言われることの無いようにそれぞれの首長が、しっかりと協議していってほしいものです。
そしてもう一つ、アメリカ合衆国の大統領選挙であります。共和党の現職であるトランプ氏と、民主党の候補であるバイデン氏との争いです。アメリカ国民ではないので我々にはどういう根拠で選べばよいのかわかりませんが、この4年間のトランプ氏の奇想天外な政治手法を見てみると、もうこれで終わってくれればよいのでは、と思うのです。日本にも少なからず影響を与えた思い付き?にも思える施政が、疑問満載だったのです。具体的な内容は皆さんもご存じの通りですので省きますが、最も違和感を持ったのは、一国の大統領がツイッターを通じて自分の主張をあたかも政治的決定ごとのように何の自制もなく自己満足の書き込みをしていたことです。もちろんSNSは何の制約もなく自己主張するツールではありますが、常軌を逸した書き込みでは大変迷惑なのです。しかも、その内容は概ね、その事柄を罵倒したものや、自らの主観で論じる内容が殆どでした。相手を批判することで自分を正当化するのは、ほぼ自己満足だと思うのです。口汚くののしることは相手にダメージを与えることもできますが、自分自身の身の丈を超えた妄想になりかねません。言葉巧みに人心を操作するのは一つの戦略かもしれませんが、いつかはメッキが剥げてくるものです。これまで様々なアメリカ大統領を見てきましたが、およそ大統領の器であるようにはとても思えませんでした。しかし、今回の大統領選挙でも国民をほぼ二分させる投票結果であり、あながちどちらが良いとも悪いとも言えないのが現実であります。要するに、自己主張というものの先には、ジキルとハイド、悪魔と天使、天国と地獄、人間とは、どちらにも属するということなのでしょうね。正義は我にあり。そう、皆さんの心の中が大切なのです。