わたしは怒っているのだ

2022.08.20

 コロナはどうだ。みんな困っているだろう。地球の歴史上、細菌感染でここまで困ったことはなかっただろう。もう何年になる?3年目に突入したのだ。コロナというやつを人間は簡単に考えていたのかもしれないが、奴らは環境に応じてどんどん変身していくのだ。人間は多くの知識を持ち合わせているだろうが、そんな知識を上回る変化ができるのだ。目には見えないが、生存していくためには、ワクチンや治療薬に負けない変化を遂げなければならないのだ。なぜなら人間の知識は、どんどん進化するからだ。コロナの最初の姿は、ワクチンにより、たちまち、駆逐されそうになって危うく殲滅されかけた。しかし、そうはいかない。コロナは変化できるのだ。人間が作ったワクチンに対して、その耐性を持つために変化していけるのだ。だから、もうすでに第7波に突入している。いつか収まるだろう、そんな楽観的な考えでは、奴らを駆逐することなど到底無理だ。これからまだまだ奴らとの戦いは続くだろう。どちらが勝利するのか、それは知恵比べだ。高等な人間の脳が勝つのか、それとも、物理的に反応するウィルスが勝つのか、まだまだ戦いは終わらない。

 近頃人間は、CO₂を原因とした温暖化に困っているのだろう。自動車の排気ガス、冷暖房の排熱、電力需要のための石炭火力発電、乾燥による各地の森林火災、それらが温暖化の原因だと人間は言う。その温暖化によって、ゲリラ豪雨が発生して、竜巻が起こり、大水害がいたるところで起こっているのである。真夏に雹が降り、世界中で干ばつに苦しんでいるところがあれば、洪水によって町を破壊されるところも出現している。北極圏では、氷河が溶け出し、生態系も被害が続出しているのだ。果たして原因は何だ。そう、人間による自然破壊であり、自然環境を無視した人間の欲望のせいなのだ。先日、浜辺に迷い込んだ自然のイルカに接しようとした人間が、そのイルカに噛まれるというニュースが出ていた。ああ、なんということだ。水族館のイルカは、人間が調教しているから噛まないだけで、自然界のイルカは、自己防衛本能が働いて、人間を敵と捉えるのは、当たり前のことではないか。それなのに水族館のイルカのように親しげに近づくという無知な行動は、本来は自殺行為なのだ。イルカは好奇心が旺盛だから平気で近づいてくるかもしれないが、決して好意を持って近づくわけではないのだ。それを無防備に水族館のイルカと同じと考えて手を出せば噛まれるに決まっている。なんて無知なのだ。もしイルカでなくてシャチだったら手か足か胴体が無くなるところだ。

 地震や火山噴火も続いている。地球は、ただの土の塊ではないのだ。恒星である太陽の惑星なのである。恒星とは、自ら光を発する星なのだ。地球は、その太陽系の惑星の一つで、自らは光を発していないのである。だが、宇宙船から見る地球は、煌々と輝いている。それは、一つには太陽光の反射であり、もう一つは、あろうことか、人間が自ら作り出したエネルギーによって輝かしているのだ。そんな地球も、中心にいくほど灼熱のマグマが存在して、煮えたぎっているのである。そのため、土と岩の塊であるはずの地表は、常に動いているのであり、それが地震として表面化するのである。そして、地中のマグマは収まり切れず、火山噴火として噴き出すのだ。人間には極めて迷惑だろうが、地球創造からの営みであるから仕方がないのである。

「色々とお話を聞いてきましたが、あなたはいったい誰ですか?」

そう、私は地球だ。多くの煩悩を抱えている人間を叱咤する地球なのだ。人間の知恵は無限である。しかし、その知恵が人間を滅ぼすこともあり得るのだ。正しいこと、正しくないこと、たった二つである。さあ、君たちはどっちを選ぶのか。